今月、最終週の4/26,15時に決算発表する予定の日立金属の今後に関して、
勝手予想してみたい。
◆まずは現状の情報を整理。
https://www.sankeibiz.jp/business/news/210408/bsc2104081847007-n1.htm
①親会社の日立は日立金属の売却交渉先として日米ファンド連合と進める方針
②令和3年3月期の連結決算は2年連続で赤字見込みで昨年10月には早期退職実施
などでグループ社員の1割にあたる約3200人の削減を打ち出している。
③品質検査不正が発覚し、1/28に調査報告書を発表(資料a)するも、依然、
4/9現在、品質マネジメントシステム登録(認証)が取消し・一時停止中の事業部
が残っている(例えば、特殊鋼の桶川工場や電子材の日立金属ネオマテリアルなど)
資料a: http://www.hitachi-metals.co.jp/ir/ir-news/0128jp.pdf
資料b: http://www.hitachi-metals.co.jp/press/pdf/2020/20200520jp.pdf
◆日立化成の昭和電工による買収レビュー
①2019/12/18に買収が正式に発表されて、TOB価格4630円は、同社株時価4080円に
対して13強のプレミアムであった。
②なおYahooファイナンスで確認すると、2020/6/18の日立化成の株価は4625円
だった。
◆日立国際電気の買収レビュー
①2017/4からTOB価格の折り合い付かず、よやく2017/12 HKEホールディング合同
会社によるTOB成立。
②映像・通信ソリューション事業は、日立およびHVJが20%ずつ譲渡
③成膜プロセスソリューション事業は、アプライドマテリアルが19年7月に買収発表
したが、中国の承認得られず、2021年3月に契約解除。
https://www.kkr.com/ja/kkr、株式会社日立国際電気の公開買付けを完了
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021033000250&g=int
★勝手なシナリオを考えてみた
①交渉中のファンドが買収し、現事業(*)を一旦、引き取り、事業ごとの
切り売りシナリオ。
金属材料事業本部:特殊鋼、素形材
機能部材事業本部:磁性材料・パワーエレクトロニクス、電線
②19年度3月決算では、特殊鋼と電線が黒字
https://www.hitachi-metals.co.jp/ir/pdf/ifrs/ifrs2003.pdf
20年度3Q決算では、唯一の黒字であったのが電線。
https://www.hitachi-metals.co.jp/ir/pdf/ifrs/ifrs2012.pdf
また、2013年に日立電線を吸収合併したという経緯もあるので、
電線材料に関しては、国内の電線メーカーに売却というシナリオが
有力ではなかろうか。
③一方、一番悩ましいのは、磁性材料・パワーエレクトロニクス、
電動化という世の中のトレンドではあるものの、レッドオーシャン
でもあり、品質不正問題の対象製品のため、品質マネジメントシス
テムの再認証が得られてからの交渉開始と考えるべきか。