三菱マテリアルの特別調査委員会の報告書を読んで

人生100年自体に備え『ものづくり不適切事案対応アドバイザー(仮)』への道を模索中(笑)。。。

三菱マテリアルの特別調査委員会の報告書(12/28、2/20、3/28)を読んで、得られたインサイト&私感を
整理してみた。

1)デジタルフォレンジックとは初耳だったが、ネット検索すると、
  法的証拠を見つけるための鑑識調査や情報解析に伴う技術や手順のことらしい。
  https://www.fss.jp/about-digital/

2)三菱伸銅(売上高, 1,225億6千9百万円(2017年3月期))の案件では
  製造可否よりも後発参入事業におけるシェア拡大を優先した可能性との記載あり

3)三菱電線工業(売上高. 29,557百万円(2017年3月期))の案件では
・損害賠償責任の広がりを経てMCIの破綻につながると考えたためソフトランディングの解決を目指した。
・2000年代、シール事業はMCI売り上げの10数%で御荷物の立ち位置。
 ケーブルや電装部品事業に優先的に割り振られていた。
リーマンショック後、MCIは赤字に至り、ハーネス事業撤退やケーブル事業を譲渡し、シール事業が中心
 事業に、の記載あり。

4)三菱アルミ(売り上げ965億円、H29.3月期)の案件では
 契約違反への危機感の希薄が原因で、対策は企業価値の向上が利益を生むという意識の醸成や
従業員一人一人が三菱アルミの企業としての使命及び自らの仕事の意味を考える企業風土の醸成、
との記載あり。

5)ダイヤメット(売上高: 219億円(2016年3月期))の案件では
・MMCの焼結製品事業は、90年頃までは国内シェア1位だったが、2000年代には国内シェア3位前後
・2005年にMMCから分離し、プランゼー社との共同出資で三菱マテリアルPMG設立、赤字が続き、
 4年後の2009年に合弁解消、MMCの100%子会社に
・2016年10月~風土改革プロジェクトなどが展開、2017.7.26親会社のMMC取締役会でも
 ダイヤメット経営再建策の支援を承認との記載
・ダイアメットはMMCグループとしての誇りと自覚が欠如との総括的な記載も、ある一方、脚注には
 『顧客やMMCに対して報告しても不適合品の発生頻度が改善される見込みはなく、むしろ公表する
 ことでダイアメット自体の存続が危うくなってしまうことが懸念された・・・との生生しい記載あり。

★製品ライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)や競合関係に即した適切な経営
 判断が不足していたわけで、経営層の能力欠如とも読み取れる。

ダイヤメットは社名に三菱が入っているわけでもなく、MMCグループとしての誇りと自覚を本当に
 どのようにして醸成していくのだろうか?

★やはり、日立がやったようなグループ再編をMMCが遂行する必要性があることを再認識した。

主要グループ会社40社のうち社会インフラ関連に近いグループ会社は日立本体に近づけ、そうではない
子会社は遠ざけるという戦略的再編が行われた。09年には19社あった上場子会社を、12年までに11社
に絞った。
日立国際のTOB成立せず、簡単では無いようだが・・・